クラウドソーシングを振り返る #2021
コンテンツの質が下がった
以前からネットワークビジネス自体はゴキブリ以上に湧いていたが、普通の案件に見せかけて掲載し後のメッセージで外部へと誘導するという少し知恵をつけたゴキブリ以下もいた。私も何件か遭遇した。
営業をかけるための企業情報を外部からスクレイピングやコピペで得るという案件が多かった。情報取得の対象となるコンテンツは大手のグルメコンテンツや美容サロンコンテンツ、転職コンテンツ、医院コンテンツ、中には弁護士会といったものもあった。逆に上場企業がこうした依頼を非ユーザーには見えない形で掲載するケースもあり、世の中の腐敗っぷりを実感した。ほぼほぼのコンテンツが機械的なアクセスや掲載情報の転用を規約で禁止している中でこうした遵法精神に欠ける行為を平然と掲載する図太い精神は一体どこで身につけてくるのだろうか。これの掲載を許可する事務局にも問題があると思うが。
金額から見ると、無知からなのか、予算がないからなのか、とにかく業務内容に対して費用が安すぎる案件が多かった。時間を持て余してこういった案件を請け納品したところ、ぶっ壊されて金は払わんとゴネられるという経験もあった。やはり倫理観はすこぶる低い。
相変わらずアフィリエイトを悪用するゴキブリ以下も多い。「覆面調査で美容サロンへいく」、「プログラミングを覚えてウッハウハ」が種別として多かった。ちなみに某ASPに広告を出稿しているサロンは某クラウドソーシング社を介した悪用は否決する旨の表記をしている。激おこですよ。
こうした経験から案件タイトルだけでブロックすべきかを判断する洞察力が磨かれたと思う。どこか稚拙(自虐)というか、金銭のやり取りが伴う場で顔文字や絵文字を平然と使える精神力はマジですごい。結果論ではあるが、クラウドワークスで26,000アカウント(昨年末時点で13,800アカウント)、ランサーズで9,500アカウント(昨年末までほぼブロックなし)をブロックした。
web製作とシステム開発を中心に応募し、これらの成約率を簡単に計算してみたがいずれのサービスも50%強が未成立でキャンセルとなっていた。察するにクライアントが受注予定の案件に必要なメンバーの頭数を事前に揃えておく目的で案件を立てている可能性がある。サービスとしては「業務」をマッチングする場であるが抽象的な技術の羅列のみを概要に記載しているだけの「メンバー集め」の案件が多々掲載されている点から察することができる。
そもそも論であるが、最近のコンテンツ運営は情報をフィルタリングすることなく掲載し、後にトラブルが発生してから対応を始めるといったフローを取っており、ワーカー側に一方的な手間を被る形式となっている。今般のSNSやメディアサービスも同様に加害と被害が発生しない環境を維持するといった方針を確立すべきではなかろうか。情報の掲載側から幾らかの利用料を徴収すれば一息で解消できると思う。
総括
就職すっか。